ハウスF

クライアントの実家のリノベーションです。お父様がひとりで生活している家に、クライアントの家族の4人が引っ越すこととなり、新たな生活に合わせて、1階部分を中心に間取りや設備のリノベーションを行いました。

LDKは、家族が自然と集まる場所として、ただ広いだけではなく、奥行きとまとまりが両立する空間となるよう、壁や天井の高さや配置などに工夫を加え、多様なスケールの居場所がある一室空間として設計しました。リビングの壁には、本をたくさん読むというクライアントのため、壁一面に可動棚を設置するとともに、同様な可動棚をLDKのいたるところに用意することで、本のほかに食器や子供たちのおもちゃなど、生活の品を身近な場所にまとめて収納できるよう計画しました。また、今までひとりの生活が長かった父の部屋については、防音などに配慮しながらも、気兼ねなくLDKにアクセスできるような配置を心がけました。

今後増えてゆくであろう実家(ストック)の改修工事のケーススタディーになるよう、基本設計段階から地元工務店に協力いただき、精度の高い概算見積を提示することで、予算面での見通しのつきやすさに配慮しました。さらには、住宅ローンの制度や減税措置などに詳しいファイナンシャルプランナーにも協力をあおぎ、クライアントのライフプラン診断を行うなど、設計事務所では疎かになりがちの設計以外のサポートにも注力をしました。