ハウス203

この住宅は、広々と田畑が広がる地域に建ち、「家型」という馴染みのある形態を少し過剰に並べた愛嬌のあるデザインが特徴です。敷地の北西側には山が迫っていますが、交通量の少ない県道に面した南側には視線を遮るものがなく、田園風景が広がります。敷地から遠くの山々を見渡すと、東には仙丈ヶ岳、西には西駒ヶ岳を望むことができます。この雄大な自然環境の中で、住宅を介してどのように環境と対峙するかを考え、計画を進めました。

住宅内部のさまざまな場所で周辺環境との一体感を感じられるように、部屋を敷地内に分散して配置し、異なる方向に視線が抜ける位置に窓を設けました。これにより、さまざまな方向から光と景色が入り込み、明るく視覚的な広がりを感じられる空間を実現しました。建物の形態についても、周辺環境との関係性を重視し、道路の流れに沿って配置や屋根の向きを決定しました。外壁の仕上げと色については、周囲の田畑から舞う土埃への配慮も行いました。

この住宅が、雄大な自然の中で住人にとって心理的な「拠り所」となるよう心がけました。

※前職での担当物件

※※建築の総合情報サイトarchitecturephoto.netにて紹介していただきました。