2021/06/18


 
積ん読が増える一方ですが、映画批評家の三浦哲哉さんがサバティカルを利用してLAに滞在した際の記録『LAフード・ダイアリー 』を読了。「食」通して記述されるLAの多様性がとても印象的で、食のみならず現在のアメリカ文化が日本人からの視点で語られており、特にフリーウェイなど叙情的な記述は、建築畑の僕には都市論としても読むことができ、とても参考になった。そんななか一番印象的だったのが、LAの料理批評家のジョナサン・ゴールド の部分。彼の仕事が、僕自身が好きでみていたジョン・ファブローの「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」や、Netflixでシリーズ化されているジョン・ファブローとロイ・チョイの「ザ・シェフ・ショー ~だから料理は楽しい!~」に大きな影響を与えていることを知り、本を読みながら、読書が個人の記憶をより立体化させるということを久しぶりに経験し、ひとりで興奮してしまった。あと、三浦さんの分析で、LAの食の多様性が日本的な季節感からではなく、エスニシティの多様性から生まれるという分析は非常に刺激的で、総じていい読書体験でした。
 
 

 
 

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