天使幼稚園未満児棟


 

 
長野県伊那市の天使幼稚園の認定こども園部門。1965年に設立された既存の幼稚園に、3歳未満児の保育と給食調理場の部門を補うことを目的とした。敷地は、既存幼稚園の裏側で駐車場として利用されていた場所で、段々状にふたつのレベル差がついている。敷地のレベル差を有効利用し、体格差のある3歳未満児(0-2歳)と3歳以上児(3-5歳)のスペースの独立性を保ちながら、効率よく給食調理場にアクセスできるような建物を目指した。
 
配置計画としては、既存幼稚園と同レベルの1階部分に給食調理場を配置し、未満児部門については、敷地の一段上がった場所に2階部分として平屋状に配置する計画とした。平面計画については、子供たちの管理が容易になるようなシンプルなレイアウトとし、室内からの外部への視線の抜けなどについても、子供の気が散らないようモアレ状のフィルムを貼るなど、既存の幼稚園での運用経験を多く反映させた。特に天井高については、あえて高くない天井高とすることで、子供たちが安心感を得られるよう、特別な配慮をした。また、内装についても、低い天井高や外部への視線の抜けの少なさ、あるいは管理の観点から多くなった木製建具などの影響により屋内が閉鎖的にならないよう、白を基調とした色彩で統一した。外観については、淡色を基調とし、緩勾配の屋根を架けることで、田園的な周辺環境のなかに建物が馴染むよう、色彩や高さに十分に気を配った。
 
みまもりの視線が子供たちの成長に寄り添う、大きなキャンバスのような建築を実現させた。
 
 
※動画撮影:青木圭一/SODAfilm
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

敷地周辺図
 

1階平面図
 

2階平面図
 
 

Share: